円安進行

外国為替市場の円相場で一時125円台をつけました。

これは2015年8月以来の円安水準となります。

実は皆さんの資産は為替相場の動きによって増減しています。

そこで今回は、資産に影響を与えたここ数年の大きな為替の動きについてお話ししていきます。

 

外国為替市場の値動き


外国為替取引とは、以前の記事でもお伝えしているように、海外の異なる通貨との間で行われる取引です。

そして通貨の交換を行う市場の事を外国為替市場と呼びます。

円相場とは、外国為替市場のなかでも日本円に対して外貨の相対的な価値である為替レートを示しているものです。

冒頭の125円台とは世界の基軸通貨である米国ドルと日本円の為替レート、ドル円の動きです。

ではここで過去3年間のドル円の推移を見てみましょう。

SBI証券HPより引用

   

 

新型コロナウイルスが世界的に流行し始めた2020年の3月9日に[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]102.55円まで円高ドル安[/su_highlight]となりました。

これは複数の要因は考えられますが、そのうちの一つが有事の円買いという動きです。

日本円は世界的に安全な資産だと考えられています。

そのため、何かしらの要因で世界が不安定な感じになると円が買われる傾向があるのです。

当時はアメリカで新型コロナウイルスの影響が爆発的に広まった時期でした。

そのため、今後世界経済に深刻な影響が及ぶのではないかとの懸念から、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]比較的安全とされる円を買う動き[/su_highlight]が広がりました。

 

円が売られてドルが買われる


では、3月28日のドル円相場で[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]125.10円まで円安ドル高[/su_highlight]が進んだのはどういった理由が考えられるのでしょうか。

大きな要因の一つには、日本の中央銀行である日銀の金融政策があると考えられます。

なぜなら、日銀が指値オペを実施すると発表したのがこの日だからです。

 

この指値オペとは、日銀が国債を決まった利回りで無限に買い入れるというものです。

今回のテーマからはずれるのでここでは詳細な説明は割愛しますが、日銀が無限に国債を買い続けると、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]日本の金利は上がらなく[/su_highlight]なります。

一方で、アメリカの中央銀行に相当するFRBという組織は年内に[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]金利を引き上げる[/su_highlight]方向で話をすすめています。

ここから何がわかるのかというと、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]日本とアメリカの中央銀行が進もうとしている方向性が逆[/su_highlight]ということです。

 

ここで金利差の影響について、正確性よりもおおまかなイメージで捉えることを優先して話をすすめます。

金利が高いアメリカでお金を運用するのと、金利が上がらない日本でお金を運用するのはどちらが得できそうでしょうか。

 

身近な例に置き換えると、

A銀行では定期預金が年0.001%の利率設定なのに対し、

B銀行では年0.01%の利率設定だとしたらどうでしょうか。

おそらくB銀行にお金を預けたいのではないでしょうか。

   

これが日米間で起こっていると考えてみて下さい。

おそらく誰もが日本よりアメリカの銀行にお金を預けたいと考えるはずです。

ただし、アメリカでお金を預けるには日本円を持っていても仕方が無いので円を売ってドルに換える必要があります。

そうすると、物の価値は需要と供給で決まるため、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]人気のなくなった日本円は売られて人気の高いドルが買われる[/su_highlight]ようになります。

その結果として円安ドル高が進行するのです。

  

このように為替は様々な要因で変動します。

そして、資産も為替の変動に合わせて増減します。

仮に円しか資産を持っていない場合は、為替が大きく変動すると[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]大きく勝つか大きく負けるかの2択[/su_highlight]になってしまいます。

 一方で資産を分散してドルと円を両方持っていれば、為替が変動しても円資産の増加分とドル資産の減少分が打ち消しあい、同様に円資産の減少分とドル資産の増加分が打ち消しあうことが出来ます。

つまり、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]為替変動の影響を小さく抑える[/su_highlight]ことが出来るということです。

これが為替におけるリスク分散ですね。

大きく勝つか負けるかの2択をとるか、安定して波の小さい資産づくりをするか、あなたのライフプランに合っているのはどちらでしょうか。

  

まとめ


相場は常に変動するものです。

そしてよほど真剣に勉強をしない限りは値動きを予測して勝ち続けることは難しいでしょう。

それならば異なる動きをするものを複数保有することでどちらが増えてもいいようにしておきましょう。

安定的に資産を守りたいのであれば、分散する事が有効です。