新しい資本主義その1

内閣が発表した新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画という資料をご存知でしょうか。

今後の国としての取り組みの方向性がまとめられたものです。

特に金融や経済面についてこれから簡単に内容を紹介していきます。

今回はまず新しい資本主義に到達するまでの資本主義の歴史についてお話していきます。

 

民の時代から国家の時代へ


新しい資本主義というからには、今までの資本主義の考え方を知る必要があります。

まずは資本主義の考え方の変化を簡単におさらいしていきましょう。

 

資本主義の歴史をひも解いていくと過去には大きく分けて2回の転換期がありました。

まず初めに資本主義という考え方が出来始めた頃、 国家による経済活動への干渉や介入を極力排除 個人の経済活動の自由を最大限に保障し、しようとする考え方が流行りました。

これは個々人が自己の利益を追求する自由な経済活動が結果的に社会的な富の増大をもたらし、市場機構の作用によって富の構成で効率的な配分が実現し、社会的な調和が達成されるという考え方です。

この考え方は自由放任主義と呼ばれ、アダム・スミスが著書「国富論」にて経済学的に体系化し、市場機構の作用を「神の見えざる手」と表現しました。

難しい言葉を並べましたが、ものすごくざっくりと一言で表現すると、 個人が頑張れば結果的に社会は良くなるから国は黙っとれ という考え方です。

 

その後、2つの世界大戦を経験する中で社会保障を重視する福祉国家の考え方に取って代わられました。

これが資本主義の1度目の転換です。

福祉国家とは、具体的な内容は歴史的・社会経済的な条件により異なるものの、貧困の解消、国民の生活水準の安定、富・所得の平等化、福祉の確保を主要な目標に掲げ、 国家のコントロールが広範囲に及んでいる 状態のことです。

国民生活の安定や確保を任務として積極的に介入することで社会は良い方向に向かう、という考え方です。

「ケインズ主義」や「社会国家」といったキーワードが記憶にある方もいることでしょう。

こちらも同様に一言で表現するならば、 民間がやりすぎると色々問題発生するから国がなんとかしたる という考え方です。

 

国家の時代から民の時代へ


2度目の転換期として、冷戦構造のなかで競争力を失いつつあった経済を立て直すために新自由主義の考え方が台頭しました。

これは政府の財政政策による経済への介入を批判し、市場の自由競争によって経済の効率化と発展を実現しようとする思想です。

 政府による規制を緩和および撤廃 し、民間の自由な活力に任せて成長を促していこうとする経済政策がとられました。

イギリスのサッチャー政権やアメリカのレーガン政権をはじめ、日本でも小泉政権が官から民へとうスローガンを唱えて新自由主義改革を推し進めました。

「減税」や「規制緩和」、「民営化」といったキーワードは耳に残っている方も少なくないはずです。

これを一言で表現すると、 国が締め付けすぎるとよくないから民間に自由にやらせてや という考え方です。

 

そして現在、資本主義の歴史上3回目の大きな転換期を迎えています。

自由放任主義から福祉国家、そして新自由主義と「市場か国か」、「官か民か」の振り子のように大きく揺れ動いてきました。

市場だけでは解決が難しい外部性の大きい社会的な課題に対して、 「市場も国家も」手を取り合って 官民連携によって解決を目指していくという考え方です。

これが新しい資本主義という考え方です。

 

まとめ


資本主義の歴史を簡単に振り返りました。

簡単にイメージすると今までは極端に自由と統制をいったりきたりしてきました。

これからは上手くバランスをとっていこうという方向性が描かれています。

次回からは具体的な内容について紹介していきます。