最低賃金が引き上げられるという報道が注目を集めました。
全国平均で28円を目安に引き上げ、時給930円とするとのことです。
引き上げについて賛否両論がありますが、今回は制度そのものに注目してみましょう。
最低賃金とは
最低賃金とは、その名の通り使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額を定めた制度です。
最低賃金法に基づき、厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会が決定します。
最低賃金額より低い賃金で契約している場合は、例え労働者と使用者[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]双方の合意があったとしても無効[/su_highlight]となります。
また、使用者が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合には、使用者は労働者に対してその差額を支払う義務があります。
この義務に反した場合には50万円以下の罰金が科されることがあります。
なお、「働き方改革実行計画」において、年率3%程度を目途として引き上げていくことを目指すとされています。
昨年度は新型コロナウイルスの影響を受けて達成できなかったものの、2016年度から2019年度から引き続き目標の3%は達成しています。
ところで、最低賃金には2つの種類があるのをご存知でしょうか。
1つは都道府県ごとに定められた地域別最低賃金です。
これは産業や職種に関わらず、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者に適用されるものです。
つまり、パートやアルバイト、臨時、食卓などのく[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]雇用形態に関係なく全ての労働者のセーフティネット[/su_highlight]として存在しています。
もう一方は特定の産業を対象に定められた特定(産業別)最低賃金です。
これは特定の産業について設定されている物であり、地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認められる産業について設定されています。
こちらは地域別最低賃金とは異なり、18歳未満もしくは65歳以上の方、雇い入れ後一定期間未満の技能実習習得中の方などには適用されません。
最低賃金の考え方
最低賃金の対象となる賃金とは、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]毎月支払われる基本的な賃金[/su_highlight]の事です。
つまり、下記のものは対象となりません。
(1)臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2)1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3)所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
(4)所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5)午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6)精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
また、日給や週休、月給制などの場合は対象賃金額を時間額に換算して最低賃金額と比較計算を行います。
まとめ
今回ご紹介した最低賃金という制度は、労働者を守るための権利として主張できるものです。
不当な条件で労働してしまう事のないように、各個人が意識しておきたいものですね。
今はその気になれば多くの情報が取得できる時代です。
自分を守るためにも正しい知識を身につけたいものですね。