未来人材ビジョンその2

前回はこれからの時代に必要な人材について考えていきました。

寿命がこれからも延びることが予想される中で、人生におけるキャリア形成の重要さも一層大きくなっていくでしょう。

そこで今回は従来の日本型の雇用システムを引き合いに、今後の働き方についてのお話をしていきます。

引き続き「未来人材ビジョン」で紹介されているデータを用いてひも解いてみます。

 

日本型雇用システムとは


日本型雇用システムとは、終身雇用を前提として新卒を一括採用する日本企業特有の賃金・人事制度です。

かつては大量生産モデルの製造業を中心に競争力の源と言われており、右肩上がりの経済成長のもとで、組織の一体感の醸成やその企業特有の能力の蓄積に寄与してきました。

また、多くの学生が卒業後に就職できることで、若年層の失業率を低い水準に抑えて社会の安定にも繋がっていました。

ところが、バブル経済の崩壊に伴い成長の継続という前提条件が破綻した結果、1990年代から日本型雇用システムの限界が指摘されてきました。

年代ごとの日本型雇用システムの特徴と経済環境:経済産業省「未来人材ビジョン」より引用

 

ここ数年は働き方改革やコロナ禍のテレワークにより[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]キャリア形成の多様化[/su_highlight]も進んでいます。

人生100年時代と言われる今、働く期間、つまり定年も伸びていくことが予想されます。

従来よりも労働する時間が長くなるのであれば、その分キャリア形成も重要になってくるはずです。

これからはどのような働き方をしていくのが良いのでしょうか。

 

 

貴重な人材になるチャンス


現在の勤務先で働き続けたいと考えている人は少ないという調査結果があります。

20歳から69歳までの男女で52%しか継続して働きたいと考えていないのが現状です。

現在の勤務先で継続して働きたい人の割合:経済産業省「未来人材ビジョン」より引用

 

一方で、転職や起業の意向を持つ人も少ないのが今の日本です。

転職の意向がある人は25%にとどまり、独立・起業志向のある人の割合はわずか16%しかありません。

転職意向のある人の割合および独立・企業志向のある人の割合:経済産業省「未来人材ビジョン」より引用

 

さらに、社外学習・自己啓発を行っていない人の割合も高いことが示されています。

46%もの人が社外学習や自己啓発を行っていないということは、言い換えると半分近くの社会人が自主的に勉強はしていないということです。

社外学習・自己啓発を行っていない人の割合:経済産業省「未来人材ビジョン」より引用

 

以上のデータからわかることは、社会人の半分近くは現在の勤務先を辞めたいと思っているにも関わらず転職や独立の意向も低く、勉強をしていないということです。

これは裏を返せば自主的に何らかの[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]スキルを身につけるために勉強をすることで、求められる人材としては上位50%に入れる[/su_highlight]ということです。

さらに自身で起業して何かの商売に取り組むことが出来れば16%の貴重な人材に該当してくるということです。

 

現実はここまで単純な話ではありませんが、自身のスキル・能力を鍛えておくことはこれからの時代に役に立つ可能性が非常に高いです。

会社を辞めて起業するのではなく、まずは副業として始めてみる方がハードルは低く取り組めるのではないでしょうか。

そもそも終身雇用制度が崩壊しつつあり、どんな企業が倒産するかもわからない時代に今の会社のみでしか通用しないというのは危ういですね。

金融商品の選択でも同じように考えますが、何か[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]1つに全てを賭けるというのはリターンは大きいですが想定外の発生に弱い[/su_highlight]という欠点があります。

収入源も複数持っておく、もしくはひとつの収入源が断たれたときにすぐに別の収入源を確保できるような準備をしておくことがリスク分散に繋がります。

 

まとめ


日本企業の雇用制度は変化の途中にあります。

自身の現状に満足できていない人も多数いることがはっきりしています。

ただ、多様化するキャリアに対して準備を出来ている人はまだ少ないのが現状のようです。

少しずつでも何かを身につけておくことで「備えあれば憂いなし」としたいですね。