前回まで経済産業省が作成した未来人材ビジョンをもとにお話を展開してきました。
資料中では様々なデータを紹介しています。
そのなかで世界における日本の立ち位置を示す数字が取り上げられていました。
そこで今回は経済面からみる日本についてお話していきます。
日本企業の現状
日本の経済の立ち位置についてみていきましょう。
まずは従業員100名以上の企業に勤める各国のマネージャを対象にした調査で、他国と比較して[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]日本は課長・部長への昇進が遅い[/su_highlight]との結果を得ました。
中国では平均28.5歳で課長となるのに対し、日本は平均38.6歳で課長と約10年の開きがあります。
さらに部長に昇進するのは中国の29.8歳に対して日本は44.0歳と15年遅れていることがわかります。
さらに海外諸国との年収の比較を見てみましょう。
[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]日本企業の部長の年収はタイよりも低い[/su_highlight]ことがわかります。
少子高齢化が進行する日本で労働力の確保は深刻な問題です。
ところが、このような状況で優秀な外国人労働者が日本企業を選択して働くのかどうかは疑問符がつきますね。
日本の競争力
さらに日本の国際競争力の推移についても調査結果が発表されています。
1980年代後半からバブル経済が崩壊する1990年代前半まで、日本は世界競争力で1位の座に輝いていました。
そこからはランキングは上下しながらも下降線をたどり、2006年には初めて中国に上回られます。
2021年のランキングでは31位という結果になっています。
企業の評価という観点では、東証一部上場企業の合計時価総額が2020年にGAFAM5社に抜かれています。
東証一部上場企業とは、現在は市場区分の再編により変更されていますが、なんとなく知名度や社会的信用度が高い大企業の集まりだとイメージしてください。
入れ替わりはありますが、2021年末で約2,100社程度でした。
一方のGAFAMとはGoogle, Amazon, Facebook, Apple, Microsoftの略称であり、アメリカのIT産業を牽引する大企業です。
今日GAFAMを一度も利用したことが無い人はいない、といえるくらい日常生活に浸透しているサービスを提供している企業です。
そして時価総額とは株価と発行済株式数をかけた値ですが、一言で表すのであれば企業の価値、評価の高さです。
つまりこのグラフが表していることは、時価総額だけをみると[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]日本を代表する企業が2,000社束になってかかってもアメリカの5社に敵わない[/su_highlight]、ということです。
資料本編ではこういった現状から日本型雇用システムと採用戦略、こどもの教育等について考察がされています。
資料の主旨とはずれますが、日本の競争力が低下し、世界での経済的な面から見た順位が下がっている今、日本国内のみに投資をすることは長期的にみてどうなのでしょう。
これから[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]成長していくところにお金を置いておけば自然と価値は高まり[/su_highlight]ます。
一方でこれから[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]衰退していくところにお金を置いておくと価値は下がる一方[/su_highlight]です。
自身の資産を守るために、お金の置き所はしっかりと考えたいですね。
まとめ
客観的なデータで示された日本の立ち位置を紹介しましたが、率直な感想はいかがでしょうか。
これから長く続く人生で、この方向性は更に進んでいくことが予想されます。
日本という国のしかも銀行預金という限定された資産しかもっていないことがどのようなリスクをはらむかイメージが出来たでしょうか。
改めてお金の置きどころを考えてみるきっかけにしてみてください。