前回は経済指標の中でも比較的身近に感じられやすい物価についてお伝えしました。
ニュースの見方が変わるきっかけになったり経済に興味を持つきっかけになったりすれば嬉しいです。
今回は中央銀行として日本の金融を調整している日本銀行が発表している指標についてお話ししていきます。
日銀短観とは
正式名称を「全国企業短期経済観測調査」といい、全国の企業動向を的確に把握して金融政策の適切な運営に資することを目的とする統計調査です。
全国の約一万社の企業を対象として、四半期ごとに実施されています。
なるべく易しい表現に言い換えると、企業に対して売上や収益、事業計画の実績や予測値など数的な部分を調査し
[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]「調子はどうですか?これからどうなりそうですか?」と聞いているアンケート[/su_highlight]です。
規模こそ違えど、大阪の商店街で交わされる「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんなぁ」と似たようなイメージです。
なお、この調査では具体的にはDI(=Diffusion Index)と呼ばれる指数を用いています。
これは上で説明した企業の業況感や設備、雇用などの各種判断を集計した物です。
企業側は各判断項目について、下図のように3個の選択肢から回答していきます。
なかでも大企業製造業のDIは日本企業の景況感を表す現実的な数字として注目されています。
展望レポートとは
展望レポートとは、日本銀行の政策委員会・金融政策決定会合において先行きの経済・物価見通しや上振れ・下振れ要因を詳しく点検し、そのもとでの金融政策運営の考え方を整理して公表している物です。
これもなるべく平易な言葉に置き換えると、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]日銀の中の人が今何を考えているかをまとめたレポート[/su_highlight]です。
毎年1月、4月、7月、10月の年4回公表されます。
市場参加者はこのレポートの内容が前回からどのように変化したかによって、今後の日本の経済政策の方向性を読み取ることが出来ます。
市場と対話すると表現されるように、日銀はこのレポートを間に挟んで市場に対して考え方を伝えているのです。
慣れないうちは読んでみてもちんぷんかんぷんな内容かもしれませんが。
まずは前回と比較してどの単語がどう変わったかという[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]間違い探しのような見方[/su_highlight]をしてみると良いかもしれません。
まとめ
今回は日銀が発表している経済指標についてでした。
これまで5回にわたって経済指標に関する話題をお伝えしてきましたがいかがでしたか。
投資をする際の判断基準として経済指標を活用してみても良いですし、ただなんとなく変化を眺めてみても良いかもしれません。
少しずつ金融経済に関する知識が向上して、個々人が的確な判断が出来るようになると良いですね。