前回の記事でお伝えした通り、2022年度の税制改正大綱が発表されました。
今回はその中でも特に多くの方に該当しそうな内容をを取り上げてお伝えしていきます。
今回の税制改正の主要項目一覧
まずは令和4年度の税制改正の主要項目が下記の通りです。
1.成長と分配の好循環の実現
(1)積極的な賃上げ等を促すための措置
(2)オープンイノベーション促進税制の拡充
(3)未来への投資等に向けた経済界への期待
(4)地方活性化、災害への対応
(5)住宅ローン控除等の見直し
(6)固定資産税等
(7)中小・小規模事業者の支援
(8)経済と環境の好循環の実現
(9)その他考慮すべき課題
2.経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し
(1)個人所得課税のあり方
(2)相続税・贈与税のあり方
(3)外形標準課税のあり方
3.国際課税制度の見直し
4.円滑・適切な納税のための環境整備
(1)適格請求書等保存方式への円滑な移行
(2)税理士制度の見直し
(3)記帳義務の不履行及び特に悪質な納税者への対応
(4)財産債務調書制度の見直し
(5)税務手続きのデジタル化・キャッシュレス化による利便性の向上
5.その他
(1)新たな沖縄振興等に向けた措置
(2)ガス供給業に係る法人事業税の課税方式の見直し
(3)屋外分煙施設等の整備の促進
(4)IRに関する税制
住宅ローン控除の見直し
この中で特にこの記事を読んでくださっている方々の生活に直結してきそうなのは
1.(5)住宅ローン控除等の見直し
ではないでしょうか。
住宅ローン控除については、4年間延長することとされました。
その際に消費税率引き上げに伴う反動減対策としての借入限度額の上乗せ措置は終了し、住宅性能などに応じた上乗せ措置が講じられています。
これは住宅の省エネ性能の向上や長期優良住宅の取得促進とともに、既存の住宅ストックの有効活用及び優良化が重要との考えからです。
具体的な基準は下表の通りです。
[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]住宅ローン控除率が1.0%から0.7%となり、適用対象者の所得要件も3,000万円から2,000万円に引き下げ[/su_highlight]られています。
これによりふるさと納税の上限額が変わるからもいるかもしれません。
また、直系尊属からの住宅取得等の資金贈与を受けた場合の非課税措置についても、非課税額が1,500万円から1,000万円へと減額となっています。
その他にも今回の税制改正では変更はありませんでしたが、金融所得課税、つまり金融資産から得られるお金への税金は今後の検討事項とされています。
また、事業主に対しては、適格請求書等保存方式、通称[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]インボイス制度に係る見直し[/su_highlight]や、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]電子取引データの保存に関する猶予[/su_highlight]の他、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]記帳水準の向上[/su_highlight]についても触れられています。
これは個人事業者の場合は正規の簿記の原則に従った記帳を行っている者が約3割にとどまっていることや、本来は複式簿記に移行するための準備的な段階としての簡易簿記による記帳が、10年以上も簡易簿記を継続している現状を考慮したものです。
今後[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]複式簿記による記帳をさらに普及・一般化させる方向[/su_highlight]で検討を行うとされています。
まとめ
税制の変更に伴い、今までと比べて負担が増える方がいらっしゃいます。
事前に対策しておくことで軽減できる負担であれば、対策しないのは無駄遣いですね。
今回ご紹介した内容はあくまで一部です。
自分に該当する部分がないか、年越し前に一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。