赤字と倒産

ニュースや新聞を見ていると、企業のものすごく大きな赤字が報道されていることがあります。
でも、どうして数億円や数兆円の赤字が出ても倒産しないのでしょう。
実は逆に黒字でも倒産してしまう企業もあるのを知っていますか?
そこで今回は赤字と倒産についてお話していきます。

赤字とは


赤字とは、収入よりも支出が多い状態を指します。
例えば、1か月に10万円の収入がある家庭が12万円を使った場合、その差額の2万円が赤字になります。
企業でも同様に、売上が費用を下回ると赤字となります。

赤字が発生する原因はさまざまです。
計画外の出費や予期せぬ売上の減少、過大な借金の返済などが主な原因です。
また、経済環境の悪化や競争の激化も赤字を招く要因となります。
赤字が続くと、企業や家庭の財政状態が悪化し、資金繰り(キャッシュフロー)が厳しくなるため、次第に借金が増えるリスクがあります。

キャッシュフローの観点から説明すると、赤字は現金の流れに直接影響します。
収入よりも支出が多い状態が続くと、手元の現金が減少し、支払い能力が低下します。
これにより、必要な支出や突発的な支払いに対応できなくなる可能性があります。
赤字が続くと、次第に借金が増え、さらに財政状況が悪化する悪循環に陥ることがあります。

赤字がもたらす影響は深刻です。
家庭では貯金が減り、必要な支出を削ることになるかもしれません。
企業では資金不足が業務の継続を困難にし、従業員の給料を払えなくなる危険性もあります。
そのため、早めに対策を講じることが重要です。

 

倒産とは


倒産とは、企業が経済的に行き詰まり、事業の継続が不可能になる状態を指します。
具体的には、借金を返済するための資金が不足し、法的な手続きによって事業を終了することです。
具体的な倒産の状況は以下の通りです。

・銀行取引停止処分を受ける
・内整理する(代表が倒産を認めた時)
・裁判所に会社更生手続開始を申請する
・裁判所に民事再生手続開始を申請する
・裁判所に破産手続開始を申請する
・裁判所に特別清算開始を申請する

倒産の原因は多岐にわたります。
経営の失敗、過度な借入れ、競争の激化、売上の急激な減少などが主要な要因です。
また、天災や市場の変動も倒産の一因となることがあります。
企業が倒産すると、従業員は職を失い、取引先や債権者にも大きな影響を与えます。

倒産が発生すると、企業は資産を売却して債務を返済しますが、それでも全ての債務を返済できない場合があります。
このような状況では、法的手続きを経て企業は解散し、残った債務は清算されます。
従業員や取引先への影響は計り知れず、経済全体にも波及することがあります。

家計では倒産というと貯金が底をついて日々の支払いが出来なくなってしまう状態です。
このような状態になる前に、早いうちから手を打つことが大切です。

 

赤字でも倒産しないのはなぜ?


赤字でも倒産しない企業にはいくつかの条件があります。
まず、十分なキャッシュフローがあることが重要です。
キャッシュフローとは、現金の流れを指し、これが健全であれば一時的な赤字でも資金繰りに問題は生じません。
また、豊富な資産を持つ企業は、赤字でも資産売却で資金を調達できるため、倒産を回避できます。

赤字が続いても倒産しない企業は、経営改善の努力を続けることが大切です。
コスト削減や新しい収益源の開拓、経営戦略の見直しなどを行うことで、赤字を解消する可能性があります。
また、外部からの資金調達や投資を受けることも倒産回避に役立ちます。

一方で、黒字でも倒産する場合もあります。
黒字とは、収入が支出を上回っている状態ですが、キャッシュフローが悪化すると黒字でも倒産することがあります。
例えば、売上はあるが回収が遅れる場合や、借金の返済期限が迫っている場合などが該当します。
このような状況では、現金が不足して支払いが滞り、最終的には倒産に至ることがあります。

赤字企業を家計に置き換えると、収入が支出を上回らない状態が続いても、貯金や資産を活用して生活を続けられることに似ています。
月々の収支は赤字でも、ボーナスで補填しているという家庭は似たような状況かもしれませんね。
家計でも、赤字が続く場合は健全とは言えません。
支出の見直しや収入の増加など、あらためてプランを見直してみることが必要になります。

 

まとめ


赤字は、家庭や企業にとって避けたい事態ですが、理解し対策を講じることが重要です。
一時的に赤字になったとしても慌てずに資金繰りの対策をして破産を防ぎましょう。
そして根本的な原因を解決するためにも、プランの見直しが必要です。
一人一人が家計の経営者として、しっかり意識していきたいところですね。

【参考資料】
帝国データバンク:倒産の定義