毎年年末になると、会社から「源泉徴収票」が配布されますが、その内容をしっかり理解していますか?
この書類には、あなたが受け取った給与や税金についての情報が詳細に記載されています。
これらは社会人として当たり前に知っておきたい自分お金に関する情報です。
そこで今回は、源泉徴収票の読み方についてお話していきます。
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源泉徴収票とは?
源泉徴収票とは、会社が給与を支払った際に天引きした所得税や住民税などの詳細を記載した書類です。
税務署への報告書の役割を果たすとともに、従業員にもその情報が共有される仕組みです。
給与から天引きされる税金は概算で計算されているため、年末調整で年間の収入や控除を精算し、過不足があれば還付または追加徴収が行われます。
源泉徴収票は、この年末調整の結果を反映したものであり、その年の税務状況を把握するための重要な資料です。
例えば、扶養控除や保険料控除など、申告した控除が反映されることで、正確な税額が計算されます。
結果として、天引きされた税金の過不足が調整される仕組みです。
年末調整を経た源泉徴収票を見ることで、最終的な所得税の納付状況や控除内容を確認できるのです。
源泉徴収票の読み方
源泉徴収票には複数の項目があり、一見すると難しく思えるかもしれませんが、基本的な部分を理解すれば簡単に読み解くことができます。
まず注目したいのが「支払金額」です。
この項目には、その年に会社から受け取った給与の総額が記載されています。
ボーナスも含まれるため、年間の総支給額を把握することが可能です。
これがいわゆる年収と呼ばれる金額になりますね。
次に、「給与所得控除後の金額」は、税金計算の基礎となる金額を示しています。
給与所得控除というのは、個人事業主でいうところの経費にあたるものです。
会社員として仕事をするうえでこのくらいは必要経費としてお金がかかりますね、という分を引いて税金を計算するための仕組みです。
ここから各種控除が差し引かれた金額が課税対象となります。
また、「所得控除の額の合計額」には、扶養控除や配偶者控除、社会保険料控除などが含まれます。
この金額が大きいほど、実際に課される税額が少なくなります。
具体例として、年間給与が同じ500万円でも、所得控除額が120万円の人と70万円の人では、年間でおよそ5万円も課される所得税が変わってきます。。
実際の源泉徴収票を手に取るときは、これらの項目がどのように計算され、最終的な税額がどのように導き出されているかを確認することが重要です。
源泉徴収票の使いどころ
転職や副業などで複数の源泉徴収票がある場合は、それぞれの内容を確認し、正確に把握することが必要です。
主たる収入先を一つ選び、他の収入を合算する形で税額を調整する必要があります。
この場合、年末調整では対応しきれないため、確定申告を行う必要が生じます。
確定申告では、すべての源泉徴収票を基に税額を再計算し、過不足分を清算します。
源泉徴収票はまた、医療費控除や住宅ローン控除などの追加控除を申請する際にも必要です。
これにより、支払った税金の一部を取り戻すことが可能です。
正確な申請を行うためには、源泉徴収票に記載されている情報を十分に理解し、各項目が正しく記載されているか確認することが大切です。
まとめ
源泉徴収票は、あなたの税金や収入に関する重要な情報を提供してくれる書類です。
その読み方を理解することで、年末調整や確定申告をスムーズに行い、さらに家計の見直しや節税対策にも役立てることができます。
まずは、自分の源泉徴収票を手に取り、その内容を確認してみましょう。
お金の勉強を始める第一歩になるはずです。
【参考資料】
国税庁:給与所得の源泉徴収票(同合計表)