「投資」と聞くと難しそうですが、基本的にはシンプルな作戦が有効です。
それは“お金を働かせる時間”を味方にするということです。
特に複利は、雪だるま式にお金が増えていく単純でかつ強力な方法です。
そこで今回は複利の力を使ってお金を増やす方法についてお話していきます。

複利のイメージ


まずは複利を日常生活でイメージしてみましょう。
同じマンションの最上階に住むAさんとBさんは、同じビルで働いています。
Aさんは朝7時30分に家を出て、エレベーターも信号も地下鉄もタイミングがピッタリ。
会社に着いたのは8時ちょうどでした。
一方、Bさんは1分遅い7時31分に家を出発。
ところが、エレベーターを3分待ち、信号で3分待ち、地下鉄も4分待ちました。
合計で10分のロスが生まれ、会社に着いたのは8時11分。
たった1分のスタートの差が10分の差にふくらんだわけです。
お金の世界でも同じで、複利という仕組みは「スタートが少し遅れるだけで、将来の差がグンと広がる」ということです。
時間を味方につけることで、複利の効果は大きくなっていきます。

 

一発退場を避ける


時間を味方につけるにはどうしたら良いのでしょうか。
お金を運用すると、値段は上がったり下がったりします。
この「ブレ幅」をリスクと呼びます。
リスクはゼロにできませんが、自分が投資を続けられる範囲であれば気にしすぎる必要はありません。
むしろ怖がって途中でやめると、複利の効果が切れてしまいます。
途中で投資をやめなければいけない、一発で退場してしまうようなリスクは取るべきではありません。
基本的にはリスクに比例してリターンは大きくなるので、リターンが魅力的な運用方法はリスクが高くなりがちです。
人によって耐えられるリスクは違うので、「ちょうどいいリスク」を選ぶことが大事です。
大前提は長く運用を続けることなので、自分がここまでなら投資を続けられる、というリスク許容ラインを見極めることも大事です。
長い時間お金を運用できれば、複利が雪だるまのように働いて資産を大きくしてくれます。

 

相場観を持つ


リスクを取り過ぎないためには、相場観=おおよその適正価格を知ることが役立ちます。
たとえば卵10個入り1パック約280円です。
もし220円なら「安くてラッキー」、と判断ができます。
420円なら「ちょっと高いけど、平飼いのこだわり卵なら納得かな」などと判断できます。
もし「1パック10円」の超激安があったら、逆に怪しいと感じますよね。
投資の話でも同じで、やたら高いリターンをうたう商品には注意が必要です。
相場観を身につけ、最大でもこのくらい損する、と上限を決めて投資を続ける——これが複利を味方にして、一発退場を防ぐポイントです。

 

まとめ


複利のイメージが付けば、取り組む時間が長いほど有効なことが理解出来るでしょう。
複利を活かすには市場に長く居続けることが大切です。
そしてそのためには自分が耐えられるリスク設定が欠かせません。
だいたいの値段の範囲を知る相場観は、過度なリスクを避けるためにとても役に立ちます。