ふるさと納税のルール改正

ふるさと納税は「寄付で特産品が届き、税金が軽くなる」しくみとして年々人気が高まり、2023年度の寄付総額はついに1兆1,175 億円に達しました。
一方で返礼品競争の過熱を抑えるため、国はルールを段階的に厳格化しています。
2025年10月には利用者に大きく影響する新しい改正が予定され、ポイント還元好きの人は要チェックです。
そこで今回は10月に控える最新改正ポイントについてお話していきます。

 

ふるさと納税のしくみ――2,000円で地域の品が届く


ふるさと納税は、好きな自治体に寄付すると寄付額から2,000円を引いた金額が翌年の住民税と所得税から控除され、さらにお礼の品がもらえる制度です。
例えば年収500万円・共働き子なしのケースでは控除上限はおよそ6万円です。
6万円寄付すれば合計5万8,000円が税金から戻り、実質2,000円で肉やフルーツを楽しめます。
手続きはまず、ポータルサイトで寄付をする、そして「ワンストップ特例」または確定申告で控除申請、の二段階です。
最近はスマホとマイナンバーカードだけでオンライン申請を完結できるサイトも増えており、書類郵送の手間はかなり減りました。
こうした仕組みのおかげで、納税者・自治体・地元産業の“三方よし”を実現しているのがふるさと納税です。

 

2025年10月改正――ポイント還元が全面禁止へ


直近の大きな変更は2025年10月1日から“サイト独自ポイント還元”が全面禁止になることです。
総務省は2024年6月、過度なポイント合戦が寄付額を不自然に押し上げるとして、仲介サイトを経由した寄付に対しポイントを付与する行為を認めない方針を正式発表しました。
これにより「寄付額の30%相当ポイント」「Amazonギフト券1万ポイント」などの大型キャンペーンは2025年9月までで終了します。
一方、クレジットカード決済で付く通常のカードポイントや、家電量販店の外部ポイントサイト経由分は規制対象外とされています。
なお、返礼品や広告・送料などを合算した“総経費50%以内”ルール(2023年10月施行)は改正後も維持される見通しです。

過去のルール変更を振り返る――透明性強化の歩み


ふるさと納税の制度が創設されたのは2008年です。
当初は返礼品に上限がなく豪華家電や高還元ギフト券が相次ぎました。
2019年6月、総務省は返礼品調達費30%以内+地場産品限定の告示を出し、基準に従わない4市町を除外する強い措置を実施しました。
さらに2023年10月には、広告費・発送費・仲介手数料など“見えない経費”を含め総経費50%以内と明確化し、サイト間のポイント競争を事実上抑えました。
2025年改正はその延長線上にあり、ポイント還元の全面禁止で「寄付者の実質負担は2,000円」の原則を守りつつ、自治体が本来の寄付金を活用しやすくする狙いがあります。
制度は今後も改正が続くとみられるため、寄付前にポータルや総務省サイトで最新ルールを確認する習慣が大切です。

まとめ


ふるさと納税は 2,000円の自己負担で地域の特産品を受け取れるお得な制度です。
2025年10月からはサイト独自のポイント還元が禁止され、返礼品選びは“純粋な地場産品”が主役になります。
総経費50%ルールは維持されるため、寄付金の大半は自治体の施策に充てられる仕組みが強化されます。
ポイント目当ての人は2025年9月までに、制度本来の趣旨を重視する人は改正後も、賢く寄付上限を計算して地域を応援しましょう。