今年は何にお金を使った?

年末は、1年を振り返るのに最適なタイミングです。
家計簿をつけていなくても、「今年は思ったよりお金が残らなかった」と感じている人は多いのではないでしょうか。
お金の使い方を振り返ることは、節約のためだけでなく、来年の暮らしをより良くするヒントになります。
今回は、1年のお金の出入りをやさしく整理し、「良いお金の使い方」について考えてみましょう。

1年を振り返ってみるお金の出入り


まずは、この1年でどのくらいのお金が出入りしたのかを大まかに想像してみましょう。
毎月のお給料やボーナス、年金などを合計すると、1年間の収入が見えてきます。
一方で、家賃や住宅ローン、食費、光熱費、通信費、娯楽費など、毎月当たり前のように支払っているお金もあります。
総務省の家計調査によると、二人以上の世帯では、1か月あたりの平均消費支出は約30万円とされています。
これを単純に12か月で計算すると、1年間で約360万円を使っている計算になります。
この金額を聞いて、「そんなに使っているかな?」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、日々の支払いは少額でも、1年単位で見ると意外に大きな金額になります。
まずは「お金は気づかないうちに出ていくもの」という前提を持つことが、振り返りの第一歩です。

今年使ったお金はいくらだろう?現実を考えてみよう


次に、「支出」をもう少し具体的に考えてみます。
基本的な考え方はとてもシンプルで、「収入」から「貯蓄したお金」を引いた残りが「支出」です。
たとえば、年収400万円で年間50万円を貯蓄していた場合、残りの350万円が生活費として使われたことになります。
ここで大切なのは、「想像していた支出」と「実際の支出」の差です。
「そんなに使った覚えはない」と感じる差額こそが、無意識に使っているお金です。
コンビニでのちょっとした買い物、使っていないサブスクリプション、なんとなく続けているサービスなどが積み重なり、気づかないうちに支出を押し上げています。
多くの人が家計を振り返ったときに驚くのは、この“無意識の支出”の存在です。
年末は、この差に気づけるチャンスでもあります。

お金の使い方を見直して、人生を彩る


ここで大切にしたい考え方があります。
それは、「無意識に使っているお金はムダ遣いになりやすく意図を持った支払いは良いお金の使い方になりやすい」ということです。
ムダ遣いとは、高いか安いかではなく、「何のために使ったのか説明できない支出」のことです。
一方で、家族との旅行、学び直し、趣味や健康のための支出などは、意図がはっきりしていれば、人生を豊かにする「良いお金の使い方」になります。
意図のあるお金の使い方は、満足度を高め、思い出という形で資産を残します。
お金そのものは使えばなくなりますが、経験や記憶は人生を長く彩ってくれます。
来年に向けて、「何を減らすか」だけでなく、「何にお金を使いたいか」を考えることが、前向きな家計改善につながります。


まとめ

1年のお金の出入りを振り返ることで、無意識に使っていたお金が見えてきます。
支出をすべて減らす必要はなく、意図のない支出を減らすことが大切です。
意図を持って使ったお金は、満足度や思い出として人生を豊かにしてくれます。
今年の振り返りを、来年のより良いお金の使い方につなげていきましょう。