相続と聞くと、「財産を分けること」を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし実際には、相続にはさまざまな手続きと期限があります。
期限を過ぎてしまうと、選べるはずの制度が使えなくなることもあります。
今回は、相続と税金の手続きがどのような時間の流れで進むのかを整理してみましょう。
相続は「時間の流れ」で理解することが大切
相続の手続きは、亡くなった直後から順番に進んでいきます。
まず最初に行うのが死亡届の提出です。
これは原則として7日以内に市区町村へ提出する必要があります。
その後、年金を受給していた場合には年金の受給停止の手続きなども必要になります。
さらに、亡くなった人に借金がある可能性がある場合には、相続を受けるか放棄するかを考えなければなりません。
この判断には「熟慮期間」と呼ばれる期限があり、原則として亡くなったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所で手続きを行います。
この期間を過ぎると、基本的には相続を受けたとみなされてしまうため注意が必要です。
相続は感情的な問題だけでなく、期限を意識した手続きでもあるという点をまず理解しておきましょう。

税金に関係する重要な期限
相続では税金に関する手続きもあります。まず4か月以内に行うのが「準確定申告」です。
これは亡くなった人がその年に得ていた所得について、代わりに申告する手続きです。
そして最も重要な期限が、亡くなってから10か月以内に行う相続税の申告と納税です。
相続税がかかる場合、この期限までに申告と納税の両方を行う必要があります。
もし期限を過ぎてしまうと、延滞税や加算税といった追加の税金が発生する可能性があります。
なお、相続税がかかる人はそれほど多くありません。
国税庁の統計によると、相続税の申告が必要になるのは亡くなった人の約1割程度とされています。
ただし税金がかからなくても、他の手続きは必要になることがあります。

税金がなくても必要な手続き
相続税がかからない場合でも、財産の名義変更などの手続きは必要です。
銀行預金の解約や名義変更、不動産の名義変更などが代表的です。
特に不動産については、2024年から相続登記が義務化されました。
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を行う必要があります。
これを放置すると過料が科される可能性があります。
相続手続きは、家族の気持ちの整理がつかない中で進めなければならないことも多く、思った以上に時間がかかります。
そのため、期限がある手続きから優先して進めていくことが重要になります。

まとめ
相続には、さまざまな期限がある手続きが存在します。
特に3か月、4か月、10か月という期限は重要なポイントです。
税金がかからない場合でも、名義変更などの手続きは必要になります。
相続をスムーズに進めるためには、時間の流れを理解しておくことが大切です。
【参考資料】
(出典:厚生労働省)
裁判所:相続に関する審判
国税庁タックスアンサー:No.2022納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
国税庁:相続税の申告事績
法務省:相続登記の申請義務化について
