バランスシートという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
日本語で貸借対照表と呼ばれるもので、企業の財政状態を評価するものです。
これを応用することで家計の健康診断にも役立てることができます。
そこで今回はバランスシートについてお話していきます。
バランスシートとは
バランスシートとは日本語で貸借対照表といわれるものであり、資産と負債・純資産の金額と内訳を把握するためのものです。
企業が決算時に作成しなければいけない書類の一つであり、「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」と並んで財務三表と呼ばれています。
バランスシートを分析することで企業の収益性や安全性、効率性および成長性を評価することが出来ます。
例として図のような形があげられます。
左側の資産の部は企業が調達したお金をどのように活用しているのかが示されています。
資産というのは現金や建物、土地、在庫などが該当します。
そしてその資産の調達方法を示すのが右側の負債の部と純資産の部です。
負債は返す必要があるお金であり、純資産は返さなくて良いお金です。
左側に記載した資産と右側に記載した負債と純資産の合計は必ず一致します。
このように左右でバランスが取れることからバランスシートと呼ばれています。
家計のバランスシート
個人の家計では上記のような難しい考え方は不要でもっと単純明快です。
家計のバランスシートを作成することで、今のあなたの家計に純資産、つまり本当の意味での資産がどの程度あるかがわかります。
では実際にバランスシートを作成してみましょう。
なお、日本FP協会が公開しているエクセル版は自動で計算してくれるので便利です。
まず、基準とする日時点での資産の部を全て書き出します。
現金、普通預金、定期預金などはそのままの金額で問題ありません。
貯蓄型の保険に加入している場合は解約返戻金を記載しましょう。
保険会社からのお知らせやマイページなどで調べることが出来ます。
株式や投資信託などの価格が変動するものは基準日時点での時価を記載します。
住宅や自動車、宝石・絵画などは似たような売り出し例やネットの買取査定額を参考にしましょう。
次に負債の部です。
住宅ローンや自動車ローン、スマートフォンの分割払いなどの元本残高を記載します。
奨学金があればそちらも忘れずに記載しましょう。
返済中の段階なら意識しやすいですが、奨学金を受け取っている段階であったとしても将来的には返済するものなので負債として扱います。
この負債の部では金利を含めずに元本を記載していきます。
そして最後に資産の合計額から負債の合計額を引いてみましょう。
その答えが純資産、つまり現時点であなたが持っている財産の金額です。
ここからが家計の健康状態の分析です。
まずは純資産の金額をみてみましょう。
現時点でプラスであればひとまずは安心です。
一方で純資産の計算結果がマイナスの場合は債務超過という状態です。
つまり持っている資産を全て売却しても借金が残ってしまうということになります。
マイナスになっている原因をよく分析して純資産をプラスに出来るように見直しが必要ですね。
家計の見直しをする際には家計簿を分析される方が多いです。
家計簿では一定期間の収支を確認できますが、ローンを組んでいる場合はマイナスの財産になるため、それだけでは実際にどの程度の資産を持っているのかは把握できません。
家計簿とバランスシートを併用することで、お金の出入りと資産の状況も把握でき、より正確に自分のお金について知ることが出来るのです。
そのため、定期的に純資産の増減を確認することも大切です。
半年に1回や1年に1回などルールを決めてしっかりと経過をチェックしていきましょう。
まとめ
家計のバランスシートを作成することで、純粋に今保有している資産を把握することができます。
定期的に確認することで資産形成の評価をすることが出来ます。
ひとりひとりがそれぞれ自分の家計の経営者です。
責任をもってお金を管理することで理想の生活に近づけていきましょう。