金融の世界には様々な投資商品が存在します。
株や投資信託と並んでよく耳にするのが国債や社債などの債券ではないでしょうか。
債券は安定した運用を望む投資家に人気のある商品で、実は身近に関わっているものでもあります。
そこで今回は債券についてお話していきます。
債券とは
債券とは、企業や国などが資金調達のために発行する証券の一種です。
債券を購入することで、投資家はその企業や国から利息(クーポン)を受け取る権利を得ます。
予め設定された期間が終了すると元本が返済されるのが株式との大きな違いですね。
そのため債券は株式と比べてリスクが低いとされており、安定した収益を期待できる投資商品として人気があります。
債券利回りの計算は一見複雑に見えますが、支払ったお金に対していくら増えたのかを計算しているだけです。
以前の記事で出てきた回数券やマイルのお得度の計算と同じですね。
なお、同音異義語の債権とは異なるものなのでごちゃまぜにならないように区別してください。
債権の種類
債券にはいくつかの種類がありますが代表的なものは以下の通りです。
1.国債
国債とは、国が発行する債券です。
日本国債をはじめ、アメリカ国債やドイツ国債など、各国が発行しています。
一般的に発行者の信用度が高いほどリスクが低いため、国債は債券の中でも安定した運用が期待できます。
2.地方債
地方債は、地方自治体が発行する債券です。
国債に次ぐリスクの低さで、地方自治体の財政状況によっては利回りが高いものもあります。
3.社債
社債は、企業が発行する債券です。
信用力のある企業が発行するため、比較的リスクは低いとされていますが、企業の業績や信用力によっては利回りが高くなることもあります。
債券のリスク
債券は株式に比べてリスクが低いとされる投資商品ですが、それでも無視できないリスクが存在します。
債券投資における主なリスクを以下にまとめます。
1.信用リスク
信用リスクとは、債券の発行者が利息の支払いや元本の返済について履行できなくなるリスクのことです。
企業が倒産したり、国や地方自治体が財政危機に陥ったりすることで信用リスクが高まります。
信用リスクが高いほど債券の利回りも高くなる傾向がありますが、元本が返済されない可能性もあるため注意が必要です。
2.金利リスク
金利リスクは、市場金利の変動によって債券価格が変動するリスクのことです。
市場金利が上昇すると、既存の債券の価格は下落します。
これは、新たに発行される債券の利回りが上がり、古い債券と比較して魅力が減るためです。
金利リスクは、特に長期の債券において大きくなります。
3.流動性リスク
流動性リスクは、債券を売買する際に十分な市場参加者がいないことで売買が難しくなるリスクのことです。
流動性が低い債券は急に売りたくなった場合に市場価格が大きく変動することがあります。
そのため、売却時に損失が発生する可能性が高まります。
4.為替リスク
為替リスクは、外国発行の債券を保有する際に為替レートの変動によって損益が影響を受けるリスクのことです。
為替レートが変動することで債券の価値や利益が増減するため、外国債券投資には注意が必要です。
5.地政学リスク
地政学リスクとは、地理的な位置関係によってある特定の地域が政治的・社会的・軍事的な緊張が高まるリスクの事です。
具体的には紛争やテロによって石油の原油価格などが上昇したり、各国の経済の見通しが不透明になってしまったりすることなどです。
身近な債券
債券は、一般的には証券会社を通じて購入されますが、身近なところでは個人向け国債が有名です。
これは、日本国内の個人投資家が直接国債を購入できる制度で、インターネットを使って手軽に購入できます。
また、年金や生命保険の運用商品にも債券が含まれていることが多いです。
そのため、債券に投資したことが無い人でも、間接的に債券利回りの影響を受けている場合があります。
他には住宅ローンの固定金利が国債の金利に連動して上下するなど、実は日常生活の中で無意識に債券に関わっていることもあります。
まとめ
債券は初心者にもわかりやすく安定した投資商品として人気があります。
債券の種類や売買価格、利回りの計算方法を理解することで、自分に合った投資戦略を立てることができます。
投資の第一歩として債券の購入を検討してみても良いですね。
実は身近な債券について、これを機に少しは理解を深めてみてはいかがでしょうか。