経済指標~鉱工業生産指数~

前回は経済指標のうちGDPについてお伝えしました。

世界の国々と比較したときに勢いを示す指標だということが何となくイメージ出来たでしょうか。

今回はGDPと同じく生産に関する指標のうち、日本の経済の動向を示す大事な指標である鉱工業生産指数についてお話ししていきます。

 

鉱工業生産指数とは


鉱工業生産指数とは、その名の通り日本の鉱業と製造業が生産している量を示す指標です。

経済産業省が毎月発表しており、基準月に対して当月がどの程度増減しているかを比率で表しています。

なぜこの鉱工業生産指数が重要なのかというと、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]日本のGDPに占める鉱工業の割合が大きい[/su_highlight]ため、日本の経済活動を広くカバーできるからです。

そもそも鉱工業とは何かというと、下図のような業種です。

鉱工業指数の分類 経済産業省「鉱工業指数のしくみと見方 -入門スライド-」より引用

どれをとっても日常的に目にするものであり、身近なものであることが分かります。

周りの方がこれらの業界に関わる仕事をしているという方も多いのではないでしょうか。

これらのことから、直感的にも日本の経済で重要な部分を占めていることがお分かりかと思います。

 

この指数では生産、出荷、在庫、在庫率、生産能力、稼働率の各系列の結果が公表されます。

そのため、商品が売れないため在庫が積みあがっていると景気は悪く、生産が増えていると景気が良い等、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]景気の変動を反映しやすい[/su_highlight]のも特徴の一つです。

個別の品目は自動車やテレビ等、代表的な製品を採用しています。

この統計は、生産活動や生産動向の先行きに関する基調判断や政府の衛材見通しなどに利用されていることからも、幅広い判断の手掛かりとなっていることが分かります。

 

特徴


この指数の特徴として、速報値と確報値が公表されることもあげられます。

速報値は発表される月の翌月末に、生産・出荷・在庫・在庫率指数の速報値と生産予測指数が公表されます。

確報値は発表される月の翌々付きの中旬に、生産・出荷・在庫・在庫率指数の確報値と生産能力および稼働率指数が公表されます。

このように、速報時点で集計が間に合わなかったり報告が訂正されたりしたものなどが確報値で追加・修正されていきます。

また、1年間の数値が出揃ったら、季節調整も含めて1年分を全面的に見直し確定値にします。

更に、5年に1回前述の基準となる値を変更し、採用品目や採用品目のウェイトを変更します。

こうして現状に即した内容に調整しているのです。

 

まとめ


今回は経済の先行きを予測するのに利用される鉱工業生産指数についてでした。

あまり聞き馴染んだ単語ではないかもしれません。

ただ、在庫が増えていれば景気が下向きであるというのはイメージしやすいのではないでしょうか。

[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]難しそうなものでもひとつひとつひも解いていけば当たり前[/su_highlight]だな、とすっと理解できることもあるものですね。