年金は、私たちの将来に大きな安心をもたらす重要な制度です。
多くの人にとって年金とは、老後の安定した収入源を意味しますが、実際にはそれ以上の役割を果たしています。
困ったときに国がどのようにサポートしてくれるのかを知っておくことは安心につながります。
そこで今回は、年金の基本的な知識についてお話していきます。
年金とは
年金と聞くと、年を取ったときにお金をもらえる仕組みと思うかもしれません。
実はそれだけではなく、国民の生活を支え、困らないようにするためのセーフティネットとして、老齢年金、遺族年金、障害年金の3つの年金があります。
一般的には老齢年金がよく知られています。
これは、長い間働いた後、引退した人たちがお金の心配をせず暮らせるように、国が定期的にお金を支払う制度です。
また、働き手が亡くなった場合、その家族を支えるために支払われるのが遺族年金です。
障害年金は、障害のある人が生活できるようにサポートするお金です。
これらの年金は、みんなが安心して暮らせるようにするために非常に大切な制度です。
老齢年金とは
老齢年金は3階建て構造になっています。
1階部分の基本的なものが国民年金で、国内に住む20歳から60歳の全ての方が被保険者となり、65歳になると受け取ることができます。
次に、2階部分の厚生年金があります。
これは、会社員や公務員など特定の職についている人たちが対象で、国民年金よりも多くの金額を受け取ることができます。
最近話題になっている年収の壁がこの厚生年金に関連しています。
最後に、3階部分の企業年金や個人年金があります。
これは追加で受け取れる特別な年金で、会社が用意したり、自分で準備したりするものです。
最近耳にする機会が増えてきたiDeCoも、この3階部分に該当する年金の一つです。これらを合わせることで、老後の生活がより安心できます。
老齢年金の仕組みは世代間扶養の考え方に基づいており、現役世代が保険料を払い、将来的には子ども世代が支えてくれるという仕組みになっています。
遺族年金と障害年金
遺族年金は、たとえば働き手が亡くなったときに、残された家族がもらえるお金です。
特に、子どもがいる家庭や配偶者がいる家庭にとって非常に重要な助けとなる制度です。
国が用意してくれる生命保険と考えるとわかりやすいですね。
受け取れる金額は子どもの人数によって異なり、遺族基礎年金は一律795,000円、1人目と2人目の子どもには228,700円が加算され、3人目以降は76,200円が加算されます。
例えば、残された家族が配偶者と子ども二人だった場合、年間約125万円を非課税で受け取ることができます。
障害年金は、事故や病気で働けなくなった人たちがもらえるお金です。
受け取れる金額は障害の等級と子どもの人数により異なり、1級の場合は993,750円、2級の場合は795,000円です。
そしてそれぞれに加算額として、2人目まで228,700円、3人目以降は1人につき76,200円が加算されます。
遺族年金も障害年金も、厚生年金に加入している場合はさらに上乗せされた金額が受け取れます。
万が一の場合に備えるには、国の制度を理解した上で、足りない部分を補う形で生命保険や医療保険などを活用すると良いでしょう。
まとめ
年金制度は、老後の生活を支え、障害や家族の喪失に際して経済的な保護を提供するために非常に重要な制度です。
老齢年金、遺族年金、障害年金という3つの形態は、それぞれ異なるニーズに応えるために設計されています。
これらの情報を理解し、自身の将来のためにどのように利用できるかを考えることが、老後の安心につながります。
万が一の際のシミュレーションをしながら、自分のライフプランを考えてみましょう。
【参考資料】
日本年金機構:国民年金・厚生年金保険被保険者のしおり
日本年金機構:遺族基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額