副業をはじめてみよう

働き方改革やリモートワークの普及で、最近は副業を始める人が増えています。
会社員が週末や夜間に趣味や特技を生かした仕事をする例も多くなっています。
収入源を複数持つことで、万一のリストラや物価上昇に備え、家計にゆとりと安心を生むことができます。
そこで今回は、副業の基本についてお話していきます。

 

副業事情の変化と必要性


かつて副業といえば深夜のコンビニバイトなどが中心でしたが、今はオンラインのクラウドソーシングやスキルシェアサービスで、ライティング・デザイン・プログラミングなど専門的な仕事を受ける人が増えています。
副業を解禁する企業は年増加しており、社員がスキルアップや自己実現を図る機会として認めるケースが多くなりました。
終身雇用の先行きが見えにくい中、「会社だけに頼らない生き方」を模索する人が増えています。
また、総務省「家計調査」によれば、近年のインフレで食品や光熱費は10年で約20%上昇しており、預金だけでは暮らしの不安を解消しきれない状況です。
こうした中、空いた時間を活用して副業収入を得ることは、家計の防衛策であると同時に、新たなキャリアの扉を開くチャンスにもなるのです。

 

副業スタイルの基本


副業の代表的な形態には、企業と雇用契約を結ぶアルバイトと、成果物や業務単位で報酬を受け取る業務委託契約を結ぶフリーランスがあります。
アルバイトは時給や日給が明確で、応募から勤務開始までの流れが簡単なのが魅力です。
給与からは所得税や住民税、社会保険料が天引きされるため税務処理の手間が少なく済みます。
一方、フリーランスは企業から業務委託契約で仕事を請け負い、納品物に応じて報酬を受け取ります。
自分の技能や時間単価を設定しやすく、必要経費を差し引くことで手取りを増やせる一方、確定申告で経費や所得を正しく計算する必要があります。
このように、アルバイトとの大きな違いとして、フリーランスとして働くと「時間」ではなく「成果」に対して報酬が支払われます。
たとえば、1本の記事を完成させるごとに5千円が支払われる場合、速く高品質に仕上げれば時給換算で高い収入を得ることが可能です。
成果に応じるため、アルバイトのように働いた時間がそのまま収入に反映されるわけではなく、仕事の効率や質が直接報酬に結びつきます。

 

スキルシェアサービスの利用で広がる選択肢


近年はスキルシェアサービスが普及し、自分の得意分野を活かして報酬を得る仕組みが簡単に利用できます。
料理教室をオンラインで開いたり、個別指導を動画やライブ配信で提供したり、イラストや写真を販売したりと、利用者と生産者が直接つながれるのが特徴です。
利用者から「ありがとう」「助かった」という言葉がクチコミやレビューで評価されると、次の受注につながりやすく、継続的な収入源をつくりやすいメリットがあります。
スキルシェアでは、自分の経験や知識を必要とする相手に直接提供し、その対価として報酬を受け取ります。
たとえば英語が得意な人が会話レッスンを行い、相手が上達すれば喜びの声が寄せられます。
この「ありがとう」が評価となり、信頼が高まることで同じスキルを求める新たな依頼が舞い込む好循環が生まれます。
自分が誰かの役に立つことで報酬を得られる点は、時間単位のアルバイトにはない大きな魅力でしょう。

 

まとめ


副業にはアルバイトのように時間を売る方法と、フリーランスやスキルシェアサービスで成果を売る方法があります。
どちらが良い悪いではなく、自分の生活スタイルや目的に合った形を選ぶことが大切です。
副業を通じて収入を得るだけでなく、新たなスキルや人間関係を築いて自己成長に繋げてみてはいかがでしょうか。
正しい知識を持って、一歩踏み出す勇気を応援します。

【参考資料】
総務省:令和4年就業構造基本調査
同:統計局家計調査年報