税金はとても身近なもので、日常生活において多くの場面で支払っています。
一方で私たちの日常生活の多くが税金によって支えられているのも事実です。
何に対して税を支払っていて、納めた税がどのような使われ方をしているのかは知っておきたいですね。
そこで今回は税金の種類と使い道についてお話していきます。
税金の分類
税金の種類は様々です。
税金の負担を経済活動のうちどの局面に求めるかで分類すると、
所得課税、消費課税、資産課税などに分けられます。
また、課税している主体が国か地方公共団体かで分類することも出来ます。
実際には表のようにとても多くの税金がありますが、日常生活において全てを覚える必要はありません。
普段の生活に係る税金をなんとなく認識するには
稼いだら所得税
買ったら消費税
持ったら固定資産税
乗ったらと自動車税、ガソリン税
飲んだら酒税
吸ったらたばこ税
継いだら相続税
貰ったら贈与税
住んだら住民税
くらいで十分です。
いかに日頃の生活と税金のつながりが深いかが認識できたでしょうか。
税収の内訳
税金はそれぞれの条件に応じて納められ、国や地方公共団体の収入となります。
これを税収と呼びます。
日本の1年間の税収はおよそ112兆2,409億円です。
税金の種類はたくさんありますが、税収においてその半数以上を占めるのが所得課税です。
その内訳をみてみると、個人の所得に応じて納める所得税、個人住民税、個人事業税などの合計がおよそ34兆円で最も多くなっています。
これは給与から天引きされていたりコンビニで支払ったりと認識しやすい税金ですね。
次いで法人の所得に応じて納める法人税、法人住民税、法人事業税が24兆円で2番目に多い税目になります。
これはあなたが働いたことで利益を得た会社が支払っているお金です。
3番手は消費課税のうち消費税です。
言うまでもなくおなじみの買い物をするとかかる税金ですね。
こちらは1年間で約21兆円が納められています。
4番手には資産課税から固定資産税が登場します。
土地や建物などを所有していると支払う税金で、年間でおよそ9兆円が納められています。
税金の使いみち
では納めた税金は何に使われているのでしょうか。
一番多いのが一般歳出と呼ばれる費用です。
これは社会保障関係費や公共事業関係費などの国の政策の実施に充てられるお金で年間約67兆円かかっています。
次に多いのが国債費というものです。
これは国債といって国が発行した債券の支払いに係るお金で、年間やく24兆円がかかります。
3番目は地方交付税交付金です。
これは地方公共団体の財政を調整するために配るお金で、年間約15兆円になります。
一般歳出の内訳
一般歳出の内訳をみてみましょう。
約半分を占めるのが社会保障関係費です。
社会保障については以前の記事でも紹介しました。
私たちが安心して生活していくために必要な「医療」、「年金」、「福祉」、「介護」、「生活保護」などの公的サービスのことです。
失業対策や生活保護のほか、医療保険や年金制度は万が一のことが起こったときのセーフティネットとして私たちのお守りになってくれます。
また、高齢化が進む日本では社会福祉や介護も非常に重要なお金の使い道ですね。
次に多いのが公共事業関係費です。
これは道路や港湾、住宅や下水道、公園、河川の堤防やダムなど、社会経済活動や国民生活、国土保全の基盤となる施設の整備に使われるお金です。
生きていて道路や水道を使わない人はいませんね。
税金が見えないところで暮らしを支えてくれています。
3番目は文教および科学振興費です。
これは教育や科学技術の発展のために使われているお金です。
教科書の配布や校舎の維持管理の他、公立の小中学校の教員の給与をここから負担しています。
日本では誰もが教育を受けることが出来るのは税金による支援があるからです。
他にも宇宙開発、海洋開発、コンピュータなど情報通信(IT)の研究開発などの推進にも税金が使われています。
科学技術に力を入れることで日本の国際競争力を強化するだけでなく、国際的な取組みにも貢献しています。
まとめ
税金は私たちの生活に密接に関わっています。
税金を支払っているのも、その税金で恩恵を受けているのもあなたです。
何に対して税がかけられて、その税がどのように使われているのかを知ると興味が出てくるかもしれません。
少しずつお金に関する知識を蓄えていきましょう。
【参考資料】
財務省HP「税の種類に関する資料」:国税・地方税の税目・内訳
財務省HP「日本の税制を考える」:日本の財政の状況
国税庁HP「税の学習コーナー」:財政の仕組みと役割