通貨の変動その2

前回の記事で通貨の変動要因についてとりあげました。

その中で人気の通貨は価値があがるということをお伝えしました。

円安が進行しているということは日本円の人気が無くなりつつあるということです。

そこで今回はなぜ日本円の人気が低下しているのについてお話していきます。

 

金融政策の違い


2022年の年が明けた頃は115円前後を推移していたドル円相場ですが、5月現在では130円台で推移しています。

これは米ドルと日本円を比較したときに、ドルを買って円を売る人が多かったためです。

つまり、ドルと比べて円の人気がなかったために円安が進行したということです。

言い換えれば[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]アメリカと比べて日本の経済は不安だ[/su_highlight]と思われたということですね。

なにが原因でこのように考えられてしまったのでしょうか。

 

為替相場は様々な要因が複雑に絡み合って変動しているため、原因を一つに断定することは出来ません。

ただ、ここ最近の動きに限って言えば両国の[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]金融政策の方向性の違いが[/su_highlight]大きな理由のひとつだと考えられます。

 

新型コロナウイルスが経済に与えた影響を払拭するために、各国はそろって金融緩和政策をとっていました。

その後アメリカの中央銀行にあたるFRBは、失業率の低下や株価の史上最高値更新などを受け、経済は回復していると判断し、徐々に[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]緩和政策から引き締め政策へ[/su_highlight]と向かっています。

 

一方で日本はというと、日銀の黒田総裁が[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]引き続き粘り強く金融緩和を続ける[/su_highlight]姿勢を改めて強調しました。

徐々に円安が進行している中で、過度な円安を抑制する発言をする可能性があるとの予想を覆す発言が市場に衝撃を与えました。

この発言により、アメリカは経済が回復している一方で日本は未だ回復に時間がかかるとの見方が強まりました。

その結果として、これからは[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]経済が活発になるアメリカで投資をした方が日本で投資をするよりも儲かるだろう[/su_highlight]と考える人が増え、円安ドル高の動きを導いたのです。

 

車で例えてみると


今回も経済用語を極力使わないでふわっとイメージしてみましょう。

細かい部分の正確性よりもなんとなく大枠をつかむことを意識してください。

 

ここで経済を車に例えて考えてみます。

景気が良いときを高速道路に乗っている状態としましょう。

新型コロナウイルス直後は日米ともにスピードが落ちてしまっていた。

再び高速道路の本線にのろうと合流車線を走っていた状態です。

ここから両国ともに加速するためにアクセルを踏みました。これが金融緩和です。

 

アメリカはアクセルに反応して順調にスピードが上がっていました。

問題がないくらいスピードが出ているのかを慎重に見極めたうえで、本線に合流したところです。

ドライバーであるFRBは、これからはスピードが出過ぎてしまわないように[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]徐々にアクセルを緩めて[/su_highlight]行こうとしています。

これが金融緩和から引き締めへの方向転換です。

 

一方で日本はアクセルをべた踏みしているものの、なかなか加速しきれません。

アクセルを踏むだけではあまり効果が見られないばかりではなく、エンジンから変な音が聞こえてきました。

これはさすがにアクセルを少し緩めるのかな、というのが大方の予想でした。

ところが、予想に反して[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]アクセルは踏み続ける、さらにこれからは重い荷物を捨てたりギアを落としたりしてあの手この手を尽くし続ける[/su_highlight]、とドライバーである日銀総裁が発言したのです。

これでは日本の車に乗っている人は不安になってしまっても仕方がありません。

 

ふと隣を見るとアメリカの車は本線に合流して順調に走っていくのが見えます。

こんな状態であれば、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]日本の車と比べてアメリカの車に乗りたがる人が増える[/su_highlight]のは当然のことですね。

 

まとめ


円安の進行は日本経済の先行き不透明さが原因のひとつだと言えます。

これは日米の金融政策の違いが引き起こしたものです。

順調に推移している国とまだまだテコ入れが必要な国ではどちらに投資するのが賢明でしょうか。

このような考え方をしてみると、日本円しかもっていないことのリスクに気が付くでしょう。