前回から引き続き金融庁らが作成した金融リテラシーマップの内容を紹介していきます。
金融リテラシーマップとは、日本のお金のプロフェッショナルが集まって生活スキルとして最低限身につけておくべき金融リテラシーがまとめたものです。
前回までは耳馴染みのある内容もありましたが、今回からはやや専門的な用語も増えてきます。
その中で今回は金融分野共通の項目についてお話していきます。
金融分野の知識を身につけると
まずは金融経済教育において基礎となる重要な事項(金利(単利、複利)、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターン等)や金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択についての理解を深めるということです。
そして金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択について理解し、実践できることが求められます。
あなたは単利と複利の計算方法の違いを説明出来るでしょうか。
複利効果の大きさをしっかりと理解すると、いかに早くから資産運用を始めることが重要なのかをひしひしと感じられます。
例えば500万円を50年間5%で複利運用すると約5,700万円になります。
つまり30歳から運用を開始すると80歳時点で500万円は5,700万円になっているということです。
これが一年遅れて31歳から開始すると80歳時点で約5,400万円です。
[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]たった1年間の遅れが300万円もの損失を生み出してしまう[/su_highlight]ということですね。
ほかにもインフレ(物価の上昇)については最近話題になっていますが、どういった仕組みで物価が上がっているのか理解しているでしょうか。
また、為替については32年ぶりの円安水準を更新したことが報道されています。
この結果、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]円資産しか持っていない人がどれだけ資産を減らしているか[/su_highlight]もわかるようになるでしょう。
他にも、銀行預金も保険も投資信託もリスク・リターンの特徴が異なるだけで同じ金融商品であるということを理解できれば適切な選択をすることが出来るようになります。
知らない、[su_highlight background=” #ffff00 ” color=”#000000″ class=””]知識がないというだけで人生においてどれだけのお金を失っているのか[/su_highlight]計算してみると衝撃を受けるかもしれません。
各年代において身につけるべき項目
若年社会人、一般社会人、高齢者で大きな差はありません。
各分野で生活スキルとして最低限身につけるべき基準は下記のとおりです。
資産形成・運用
・金融商品の3つの特性(流動性・安全性・収益性)を理解する
・様々な金融商品に資金を分散するなどのリスク管理の方法について理解する
・長期的な視点から定期的に貯蓄・運用することの大切さを理解する
・貯蓄と投資、投資と投機の違いを理解する
・「72の法則」を知り、活用できる
・お金の価値と時間との関係について理解する(複利、割引現在価値など)
お金や金融のはたらき
・中央銀行の政策が家計・企業に与える影響を理解する
・金利の変動要因について理解する
・クレジットカード、電子マネー等、現金以外の決済手段を適宜使い分けている
経済変動と経済政策
・経済政策の変化が家計・企業に与える影響を理解する
・代表的な金融・経済指標などに基づいて、国内の景気動向を理解する
・諸外国の代表的な金融・経済指標などに基づいて、世界経済の動向を理解する
経済把握
・経済の3主体(家計・企業・政府)と金融機関の機能と役割を理解する
・金融市場、証券市場、為替市場の働きと機能を理解する
・情報機器や情報通信ネットワークなどを活用して、内外の経済情報を収集できる
金融経済情勢に応じた金融商品選択
・金融商品(預貯金、株式、債券、投資信託、保険、外貨建て商品、各種ローン等)の基本的な内容および性質について理解している
・景気の動向、金利の動き(上昇・低下)、インフレ・デフレ、為替の動き(円高・円安)が、金融商品の価格、実質価値、金利(利回り)等に及ぼす影響について理解している
・様々な金融商品の性質、リスクとリターンの関係を理解し、金融経済情勢を踏まえて自己責任の下で運用することができる
・預貯金、株式、投資信託、保険等、様々な金融商品の内容を理解している
・金融商品の購入、ローンの利用について様々な方法(対面取引・インターネット取引等)があることを理解している
・金融商品の購入、ローンの利用について商品および取引方法により手数料等のコストが異なることを理解している
・資産形成商品(株式、投資信託、不動産関連商品、外貨建の各種資産ほか)に投資する場合、商品の選択に当たり、実質的なコストを全て把握している(例:購入時の手数料、運営管理費用、信託財産留保額など)
・金融商品の取引に関連する税制・税金についても概要を把握している
・ローンを利用する場合、金利だけではなく、契約に付随する全てのコストを把握している(例:各種手数料、税金、団体信用保険料など)
その他にも一般社会人と高齢者においては
・可能な範囲で寄付を行う
・子どもに家庭の収入はどこからくるのか理解させる
・子どもにおこづかい帳のつけかた等を通じて金銭管理の大切さを理解させる
といったことも身につけるべきとされています。
今回は金融専門用語が多く含まれる内容となりました。
耳慣れない言葉が多いと拒否反応を示してしまいがちですが、過去の記事で紹介している単語もあります。
リンク先のページに簡単な解説を用意していますので、わからない言葉があればご覧ください。
まとめ
金融リテラシーを身につけると手元に残るお金が全然変わります。
同じ働き方をしていても使えるお金が増えるということは、夢を多く叶えられるということです。
国が主導となって金融リテラシーの教育を推進する時代になっています。
生活スキルとして身につけていきましょう。