骨太の方針2023

今年も骨太の方針が発表されました。

これからの政策について大きな流れをつかむためにはぜひ把握しておきたい内容です。

特に家計の所得や子育て世帯に関する情報は身近な方も多いでしょう。

そこで今回は骨太の方針2023についてお話していきます。

 

骨太の方針とは


骨太の方針とは政府が毎年6月頃に発表しているもので、正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」というものです。

 

この「骨太」には世論の一般的な批判には揺るがない国政のしっかりとした改革方向を示す、との意気込みがこめられています。

そのため、今後の国としての大きな方向性を知っておくには非常に便利な資料です。
過去に盛り込まれてきた政策をみてみると
・郵政民営化
・地方分権など三位一体の改革
・働き方改革
・外国人労働者の受け入れ拡大
・行政のデジタル化
・資産所得倍増プラン
など、聞き馴染みがあるものや生活に直結していると感じるものも多くあるでしょう。

では今年の資料から、家計所得の増大に関する部分と少子化対策に関する部分について内容を見ていきましょう。

家計所得の増大について


 

最近の春季労使交渉では、約30年ぶりの高い伸びを示す賃上げ率が話題となりました。

この賃上げの流れを維持・拡大し、中小企業や非正規雇用労働者の処遇改善を促すことで、家計所得の増大に取り組んでいます。

 

中小企業の賃上げの環境整備には、賃上げ税制や補助金の優遇強化が行われます。
また、赤字法人においても賃上げを促進するために、課題を整理した上で税制を含めた施策の検討が行われます。
さらに、サプライチェーンにおける付加価値の増大と適切な分配にも注力し、価格転嫁の適正化を進めます。
労務費の転嫁についても業界ごとに実態調査が行われ、指針がまとめられる予定です。
業界団体には自主行動計画の改定や価格交渉の支援も求められます。

 

最低賃金についても注目が集まっています。
昨年は過去最高の引上げが行われましたが、今年は全国加重平均1,000円を目指すために議論が行われます。
また、地域間格差の是正も重要視され、最低賃金の目安額や地域別の最低賃金の比率に関する見直しが行われます。
公的セクターの賃上げや家計所得増大に向けては、処遇改善の効果や経営情報の見える化が進められます。

 

また、資産運用の重要性も強調されています。
金融資産所得の拡大を図るために、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)の拡充や金融経済教育推進機構の設立が検討されています。
さらに、資産運用業の改革にも取り組まれます。

 

少子化対策・こども政策の強化


 

少子化対策については「こども・子育て支援加速化プラン」を推進していきます。
このプランでは
・若い世代の所得を増やす
・社会全体の構造や意識を変える
・全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する
といった3つの基本理念を踏まえ、抜本的な政策の強化を目指しています。

具体的な施策として、3年間の集中取組期間中に以下の取り組みが行われます。

まず、子育てに関わる経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取り組みが行われます。
これには、児童手当の拡充出産費用の軽減、地方自治体への支援による医療費負担の軽減、高等教育費の負担軽減のための奨学金制度の充実などが含まれます。
また、個人のリ・スキリングへの支援や「年収の壁」への対応、子育て世帯への住宅支援の強化も行われます。

 

さらに、全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充も重要な取り組みです。
これには、妊娠期からの切れ目ない支援の拡充や幼児教育・保育の質の向上、新たな「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設などが含まれます。
また、共働き・共育てを推進するためには、男性育休の取得促進柔軟な働き方と子育ての両立支援が行われます。

これらの具体的な政策に加えて、意識改革も重要な要素です。
こども・子育てにやさしい社会づくりを推進するために、政府は安定的な財源の確保と共に意識改革に取り組んでいきます。
加速化プランの成功には、財源の確保も欠かせません。

そのため、効果の検証を行いながら政策の内容や予算を検討し、こども家庭庁予算で見て、2030年代初頭までに国の予算またはこども1人当たりで見た国の予算を倍増することを目指します。

財源については、社会全体での支え方も検討されます。

 

まとめ


このように国の方針をなんとなく知っておくことはライフプランを考えるうえで役立ちます。

今回紹介しきれなかった内容もまだまだたくさんあります。

フリーランスや副業などの働き方やスタートアップ企業の推進など、関係する人は多くいるでしょう。

興味がある方はぜひ下記の参考情報から政府の資料を読んでみてください。

【参考資料】
内閣府:経済財政運営の改革の基本方針2023
首相官邸:未来を切り拓く「新しい資本主義」
内閣官房:こども・子育て政策の強化について(試案)