カレー作りに学ぶ投資の始め方

資産運用に興味はあるものの、何を選べば良いのか悩むのは誰しもが経験することです。

これさえ買えば安心という情報も見かけますが、それで本当に良いのか不安に思うこともあります。

調べてみても難しい言葉が多く、結局進めないという声もよく聞きます。

そこで今回は商品の選び方を身近なカレー作りに例えてお話していきます。

 

初心者がすべきこと


まず、資産運用では自分の資産をどのように配分するかを決める必要があります。

多様な資産(株や債券、不動産、金など)を組み合わせて、自分のライフプランに適した資産を構築することが理想です。

しかし、初心者の場合はこれだけ聞いても難しいと感じるでしょう。

そこで親しみやすいように資産運用とカレー作りを比べながら、レベル別に進めるべき手順を解説していきます。

なお、この記事では特定の商品のお勧めはせずにあくまで考え方のみをお伝えしています。

 

まず、全くの初心者はレトルトカレーを買いましょう。

温めるだけですぐに食べることができます。

味の振れ幅は少ないので失敗することもほとんどありません。

自分の好みにそって甘口か辛口かを選んで、大手が発売している商品を選べば良いでしょう。

同じ甘口でも商品がたくさんありますが、その場合は安いものを選ぶという思考で問題ありません。

これを投資に置き換えてみると、全くの初心者の場合はインデックス型の投資信託からはじめてみましょう。

インデックス型の投資信託とは、プロが様々な資産を組み合わせて、経済指標に連動するようにパッケージ化した商品です。

経済指標に連動するというのは、例えば世界経済が成長すると同じように資産が増えていく、というようなものです。

自分だけ特別に大きく勝つということはありませんが、世界の大きな波に乗り遅れることもありません。

甘口か辛口かを選ぶように大きな方向性、つまり世界株かアメリカ株かを自分で決めたら、あとは人気ランキングが高く手数料が安いものを選べば問題ありません。

 

ちなみに「名店の味」や「こだわりの〇〇」のようなレトルトカレーは、自分の好みが分かってから買うのが適しています。

同様に「IT企業に特化」や「レバレッジ型」というテーマ型の投資信託は初心者にはまだ早いかもしれません。

 

中級者を目指そう


次に中級者はカレールーを買ってきて材料は自分で選びましょう。

ある程度自分の好みを把握しているので、ニンジンが苦手なら抜いても良いし、お肉は好みに応じて豚・牛・鶏などから選んでも良いですね。

この場合も味の基本となるルーは決まっているので、大きな失敗は少ないでしょう。

隠し味に少しだけ何かをトッピングしてみるのと、より自分の好みに合う味が分かるようになります。

ただし、ほんの少しのコーヒーやチョコレートは味をぐっと引き立てますが、入れ過ぎは禁物です。

こうして手間暇と好みのバランスがとれた家庭の味というのが出来上がっていきますね。

 

投資でも同じように、資金の大部分は定番の商品を購入しておいて、自分のリスク許容度に合わせて株や債券の比率を変更していくのが中級者です。

少しだけリスクをとって個別株や暗号資産などを取り入れても良いかもしれません。

ただし、あまりにもリスクを取りすぎるとバランスが崩れてしまいます。

多くの方が目指すべきはこの中級者レベルだと思います。

大部分は定番の商品を活用しつつ、ライフプランにあわせて適切な商品を組み入れていければ十分でしょう。

 

上級者を目指すのであれば


上級者はスパイスやハーブ、食材の産地にまでこだわり自分の好みの味を追求していきます。

ここまでくると味の振れ幅は大きくなりますし、料理人の腕に左右されるようになります。

また、こだわりを追求するには莫大な熱意と労力が必要となります。

この領域に到達できるのはカレーが趣味であり、カレーが大好きな人でしょう。

 

資産運用でも個別株やFX、暗号資産の売買をしながら大きなリターンを目指す人がいます。

おわかりの通り、運用結果は大きなプラスから場合によってはマイナスまで、振れ幅は非常に大きくなります。

また、各資産の動向を把握し、自身で売買を繰り返すには努力と時間が必要です。

  

全く料理をしたことがない素人がいきなり勉強もせずにスパイスを選びに行っても美味しいカレーを作ることはかなり難しいはずです。

このレベルは資産運用が大好きで努力もいとわない、または投資のみで生計を立てていきたいという人向けです。

 

まとめ


資産運用で重要なのは、大きく勝つことよりも、大きな負けを避けて運用を続けることです。

なぜならば、長期間運用することで複利効果により資産は増えるからです。

まずは基本的な商品から始め、徐々に自分の好みに合わせて調整していきましょう。

資産運用においても自分らしい「家庭の味」を見つけることが大切です。