私たちの日常生活に大きな影響を与える経済現象のひとつがインフレーション、インフレです。
物価の上昇は日常生活でも感じやすいですね。
インフレの概念や対策方法を理解することは、経済的な意思決定をする上で非常に重要です。
そこで今回はインフレについてお話していきます。
インフレとは
インフレーション、つまりインフレとは、商品やサービスの価格が全般的に上がり続ける現象のことです。
経済が活発になり、企業の生産活動が増加し、人々がより多くお金を使うようになるとき、要するに景気が良いときによく起こります。
国や経済状況によって異なるものの、一般的には健全な経済成長のしるしとして、年間2%程度のインフレが望ましいとされています。
このような状況では、経済全体が活性化し、それに伴い労働市場も強化され、私たちの収入が増える可能性が高まります。
この収入増加が、さらに物を買いたくなるという好循環を生み出すことが期待されます。
日銀やアメリカのFRBといった各国の中央銀行は、金融政策を通じた物価上昇率の安定化を最大の任務のひとつとしています。
一方、安定的ではなく急激な物価の上昇は、経済に混乱を引き起こします。
過去にはジンバブエで急速なインフレが発生し、物の価値が上がった結果、なんと額面で100兆ジンバブエドルの紙幣が発行されました。
100000000000000と書かれたお札を持っているとお金持ちになった気分になりますが、実際にはこれでパン一斤買えるかどうかというくらいだったそうです。
インフレの影響
インフレは私たちの生活の様々な面に影響を与えます。
仮に年間2%のインフレが続くとするならば、いったいどのようなことが起こるのでしょう。
まず、食料品や日用品の値段が上がり、ガソリンや電気、ガスなどの費用も増えます。
そのため、全く同じ生活を続けていても生活費は毎年2%ずつあがり続けるということです。
この状況は、家計にとっては大きな負担となり得ます。
次に、物の価値が上がるということは、相対的にお金の価値が下がるということです。
タンス預金は毎年2%ずつ目減りしていきます。
銀行預金の利率がほぼ0%である今のような場合、毎年2%ずつじわじわと貯金が減っていくものだと思っていても間違いはありません。
しかし、お金の価値が下がるということは、借金についても同じことが言えます。
返済額とは別に、毎年2%ずつ借金が目減りしていくとしたらどうでしょうか。
仮に借金をして価値が変わらないものを購入した場合、返済にかかる利息を除くと毎年2%ずつ実質的に資産が増えているということになります。
つまり、インフレの中で賢く借金を管理することは、経済的な利益を得る一つの手段となるのです。
一方で、インフレによって物価が上昇すると、給与の増加が追いつかない場合、実質的な購買力は低下します。
これは特に固定収入の人々にとって深刻な問題となり得ます。
結局のところ、インフレは私たちの財布への影響を直接的にも間接的にも及ぼすのです。
インフレへの備え
インフレとともに収入が増加していれば景気は良くなりますが、物価が上がるにもかかわらず収入が増えないと生活は苦しくなる一方です。
そこで、インフレに対する備えとしては、収入を上げることと、異なる種類の資産に分散投資することが重要です。
給与収入だけでは足りない場合、副業や小規模ビジネスを始めることが良い選択肢です。
特に結果に対して報酬を受け取るビジネスモデルでは、時間に縛られずに収入を増やすことが可能です。
これにより、時間的な自由と経済的な安定が得られるでしょう。
また、資産を守るための分散投資も重要です。
株式と債券をバランスよく組み合わせることは、インフレに対抗する効果的な方法の一つです。
ただし、銀行預金に過度に依存すると、実質的な購買力の低下というリスクが伴います。
インデックス投資は、経済の成長に合わせて資産を増やす手段として人気があります。
これはインフレ対策としては完璧ではありませんが、始めるのに難易度が低く、取り組みやすい方法です。
インフレ下においてなにもしないこと、つまり停滞は後退です。
空港などに設置してある動く歩道をイメージしてみてください。
自分はしっかりと歩いているつもりでも、動く歩道上を歩いている人とは差が開くばかりですね。
金融リテラシーを身につけ、判断力を磨くことができればこのような状況であっても不安に感じることは少なくなるでしょう。
まとめ
インフレは、経済の健全な成長のしるしである一方、制御されなければ様々なリスクを引き起こします。
経済環境は常に変動していますが、正しい知識と戦略を持つことで、それに適応し、利益を最大化することが可能です。
インフレの影響を理解し、それに対応することは、経済的な自立と成功への道を開く鍵となります。
自分の未来を守るためにも少しずつ金融リテラシーを身につけていきましょう。