株価暴落の歴史

資産運用をしていると市場の変動によって資産も増えたり減ったりと影響を受けます。

ここ数年でNISAを始めた方は、今のところ資産が増え続けている方もいる事でしょう。

ただ、市場が暴落して資産が減るタイミングは残念ながら必ず訪れます。

そこで今回は市場が暴落したときでも慌てない心構えについてお話していきます。

 

資産運用への興味関心


ここ数年で金融教育や資産運用への関心が高まり、証券口座の開設数も伸びています。

2024年から導入された新しいNISA制度もその追い風となっています。

ここ数年の投資先として人気の高い全世界株式(オルカン)や米国株式(S&P500)は、順調に推移しています。

早くから始めて少しづつ積立ててきた方の中には、含み益が出ている方も多いでしょう。

ただし、その状態が永遠に続くとは限りません。

新NISAはより多くの人々に株式投資を促すものですが、市場のリスクを理解し、過信は禁物です。

 

株式市場の暴落の歴史


株式市場の歴史を振り返ると、いくつもの大きな暴落が見られます。

米国株式市場を代表する指数であるS&P500の推移を見てみましょう。
例えば、1987年の「ブラックマンデー」では、9月から10月のたった1ヶ月の間に22.%、8月から11月までの3ヶ月間で30%も下落しています。

2000年代前半に発生した「ITバブルの崩壊」では、2002年9月は前月比11%の下落、2000年8月から2002年9月まで約2年で46%も下落しています。

2008年のリーマンショックに起因する「世界金融危機」では、2008年10月に前月比で17%の下落、2007年10月から2009年2月までに株価は53%も下落しています。

そして2020年の「コロナショック」では、2月末から3月末までの約1ヶ月間に34%下落しています。

これらの暴落は、それぞれ異なる原因で発生しましたが、市場の過熱、金融政策の変更、突発的な経済的ショックなどが主な理由です。

これらの経済的なショックを予測して避けることは専門家ですら非常に困難です。

ただし、長期的にみると右肩上がりに成長していることが分かります。

コロナショックで最も下落した局面でさえ、リーマンショック前の最高値よりも1,000ポイントも高いことからも、長期間持ち続けることの効果の大きさがわかります。

 

暴落に直面しても慌てない


株式市場は、予期せぬ時に大きく価値が下がることがありますが、そうした暴落に備える方法はいくつかあります。
最も基本的な方法は、投資を株式だけに限らず、さまざまな資産に分散することです。
これにより、一部の市場が不調でも他の資産が補うことができます。

しかし、投資を始めたばかりの方にとっては、資産の分散と言われても難しいかもしれません。
そこで推奨されるのが、市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことです。
具体的には、「ドルコスト平均法」という戦略を使って、定期的に一定額の投資を続ける方法が有効です。
これにより、株価が高いときは少ない株数を、低いときは多くの株数を購入できるため、平均的な購入価格を抑えることができます。

長期的には、株式市場は成長を続ける傾向にあり、過去の暴落も時間が経つにつれて回復しています。
ですから、もし市場が暴落した場合でも、焦って投資を手放すのではなく、たんたんと購入を続けることが、将来的に大きなリターンを期待する上で重要です。

このような戦略は、NISA口座などの税制優遇を受けられる投資口座を利用することでさらに効果を発揮します。
市場が下がったときに慌てずに、計画的に投資を続けることが、長期的な資産形成につながります。

まとめ


ここ数年、金融教育と資産運用に対する関心が高まり、新しいNISA制度の導入によってさらに証券口座の開設数が増加しています。
しかし、市場は常に変動し、今現在の含み益が将来も続くとは限らないため、市場のリスクを理解し過信を避けることが重要です。
過去に何度も株式市場は大きな暴落を経験しており、それぞれの暴落は異なる原因によって引き起こされていますが、共通するのは予測が困難であるという点です。
重要なのは、多様な資産への分散投資や、ドルコスト平均法による定期的な投資など、長期的な視点を持ってプランに従った運用をすることです。

【参考資料】
日本証券業協会:NISA口座開設・利用状況調査結果について
同:NISA口座の解説・利用状況