子供が産まれたらママが育休をとりパパは仕事を頑張る、そんな考え方はもう古いです。
今はパパも育休の取得が推進されていますし、ママの働き方も多様化しています。
それぞれの家庭に合わせた育休の取り方をすることで、最大限制度の恩恵をうけつつ子育ての時間も確保することが出来ます。
そこで今回は育休の取り方と育休期間中に貰えるお金についてお話していきます。
育児休業給付金とは
まずは社会保険の復習からはじめましょう。
社会保険とは、国民の安心や生活の安定を支える公的な保険でした。
その中に雇用保険というものがあります。
育児休業給付、所謂育休手当とは、その雇用保険から支給される給付金のことで、育児のために働くことを一時的に休む労働者に対して支払われます。
ただし誰もが支給される訳ではなく、一定の条件を満たす必要があります。
育児休業給付金の支給要件と支給額
育児休業給付金を受け取るためにどんな条件を満たせば良いのか、そしてどのくらいの金額が支給されるのかを確認していきましょう。
まず、支給されるための条件ですが、簡単に説明すると大きく分けて以下の4つがあります。
・雇用保険に加入していること
・育児休業後には職場に復帰する予定であること
・休業開始前2年間に12ヶ月以上働いていること
・育児休業給付金を受け取っている期間に働いていないこと
それぞれの条件に対して別途詳しく定められていますが、ここでは大枠を捉えていただくのが目的なのでそこまでは解説しません。
詳しく調べたい方は文末に参考として厚生労働省の情報を記載していますのでご覧ください。
次に受け取れる金額です。
具体的な支給額は、あなたがどのくらい稼いでいるかによります。
詳しくは雇用保険法に定められていますが、育児休業に入る前の賃金を基準として
育休開始から6か月以内は67%、6か月経過以降は50%が支給されます。
ちなみに休業中に会社から賃金が支払われた場合には減額されることになります。
このあたりは専門家に相談してシミュレーションすることで、より明確なイメージをつかむことが出来るでしょう。
パパママ育休プラス制度
近年は男性の育児休暇取得も推進されています。
「パパママ育休プラス制度」とは、お父さんもお母さんも育休を取ることを奨励するための取り組みです。
この制度を利用すれば、通常は1歳まで取得可能な育休の期間を1歳2カ月まで延長できることになります。
ここでピンときた方は鋭いですが、実は通常の育休制度も特別な事情があれば1歳6カ月または2歳まで延長することが可能です。
その条件とは
・保育園に入園を希望しているのに叶わない
・養育予定だった配偶者が死亡した
・養育予定だった者が病気やケガで養育が困難な状況になった
・離婚により別居することになった
・新たに妊娠し産休を取得した
場合などです。
これに対し、パパママ育休プラスでは上記のような特別な条件が無くても延長することが出来るのです。
また、法改正により2022年の10月以降は育休の分割取得も可能になっています。
そのため、
夫婦で同時期に育休を取得するだけではなく
妻が1年間育休を取得後に夫がバトンタッチする形で2ヶ月間育休を取得したり
夫が妻の育休から少しずらして加わる形でそれぞれが1年間育休を取得したり
など、様々なパターンを選べるようになりました。
また、妻が前述の育児休業給付金の支給条件を満たしていない場合には、産休後に一度復職して条件を満たしてから再度育休を取得し、その間は夫が育休を取得する交代型の育休取得をすることも可能です。
それぞれの家庭の働き方や雇用環境、そして保育園への入園時期などに合わせて最適な取得方法を選べると良いですね。
また、育休期間は条件を満たすことで社会保険料の納付が免除されます。
受け取れるお金を最大限に、出ていくお金を最小限にすることで手元に残るお金が増えるのは自明の理ですね。
以前の記事で紹介したように子育てにはお金がかかります。
事前にシミュレーションをしたうえで最大限制度を活用したいですね。
まとめ
子育ての助けになる制度ですが、いざ活用する時には最適なパターンを考える余裕などない場合が多いです。
転ばぬ先の杖として予めシミュレーションをしておくことで備えておきましょう。
対策をしているか否かでお財布の中身は驚くほど変わります。
もったいないを防いで家族と楽しい生活を送るのにお金を使いたいですね。
【参考資料】
厚生労働省:育児休業給付の内容と支給申請手続き
同:改正育児・介護休業法について
雇用保険法第61条の6-第61条の9:育児休業給付